充電制御バッテリーについて
BMW専門店スパークオートの津村です。
先日リチウムイオンバッテリーについては書かせていただきましたが、今回は普通のバッテリーについてです。
普通のバッテリーと言っても現在自動車で使用されているのは、液式の鉛蓄電池と充電制御対応バッテリーの2種類に分かれます。
液式の鉛蓄電池は昔からある方式でケースの中に主に鉛で出来たセルが6個入っており、その6個のセルが希硫酸に浸されている物を言います。
この方式はコストが安いのですが、アイドリングストップ付きの車に使うのは向いていません。
何故向いていないかと言うと、アイドリングストップ付きの車は信号の度や停止する度にエンジンストップ・スタートを繰り返します。
一般的に一度のエンジン始動に使用する電力は、概ね30分程度の走行をしないと回復しないと言われています。
週末にちょい乗りや近くに買い物程度で車を使用していた場合、アイドリングストップを繰り返した分の電力は出ていくのが多くなりいずれは足りなくなる事が予想されますね。
ではアイドリングストップ付きの車はどうやってバッテリーを回復しているのか?
それが充電制御で言ってみれば足りないなら急速充電すればいいじゃない!って方式です。(笑)
液式の鉛蓄電池でもバッテリーあがり等で緊急時は急速充電器で充電をする事もありますが、これが頻繁な状態となるとバッテリーの寿命が著しく低下します。
何より急速充電は無理やり電気を押し込んでいるようなものなので言ってみれば電気が溢れます。
溢れた電気は熱になり水素ガスが大量に出ます。
電解液もお湯になるので蒸発して減ってくると内部で火花が出て水素ガスに引火、バッテリーが爆発って事になりかねません。
それを急速充電に耐えるように作られているのが急速充電対応バッテリーになります。
BMWの場合はAGMバッテリーがそれにあたります。
基本的には鉛蓄電池ではありますが、液体の電解液は入っておらずグラスマットに電解液を染み込ませた物が使用されています。
ドライバッテリーと言われるタイプの物です。
従来のバッテリーに比べ3倍の充・放電が可能な赤いモビルスーツのようなやつです。
充電にはパルス式の充電器が必要になります。
なので見た目だけなら従来のバッテリーと変わりませんが、充電制御車には従来のバッテリーは使えません。
安いからと使うと逆に寿命が短くなったりあがりやすくなったりするので結果安くはつきません。
バッテリーは指定された適切な物を使用する事が必要です。
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